敵機を5機以上撃墜した者にだけ与えられる称号“エース”。
その称号を得た兵士はステ－タスシンボルとして、A-2ジャ
ケットの裏地を深紅のシルク素材に張り替えることが
特別に許されていました。
高級感と気品にも満ちた深紅のシルク素材は滑りが良く
着心地にも優れ、エースパイロット達の士気を高揚させました。
こちらのA-2は、ラフウェア社が1941年に初回納入を果たした
モデルがベースとなっています。
メインマテリアルの馬革は、イタリア産の原皮を植物の樹皮
から抽出した渋液によって丹念に鞣されており、鞣す際に
通常よりも加脂された馬革は、着用者の皺を深く記憶する
特徴を持っております。表革に使われた濃色のシールブラウン
がライニングの紅をより一層際立たせており、その秀悦な
コンビネーションに加え、フライトジャケット愛好家の
方々、垂涎の“シェブロンジッパー”を搭載します。

---

米陸軍航空隊の兵士たちに最も愛された飛行服がA-2です。
1931年5月9日に正式採用されてから、1944年に生産が中止される
までの間、延べ20万着も製造されています。
このジャケットに彼らが込める想いは特別なものでした。
それは過酷な任務を共に潜り抜けてきた究極の相棒として、
パイロットとしての誇りと士気を このジャケットに見出していました。

---

CROWN“CHEVRON ZIPPER”

ハイヒール型とも呼ばれる独特な形状の務歯(ティース)を使い、
ヘビーデューティーな使用に耐えうる高性能を有した“シェブ
ロンジッパー”を開発し、アメリカ軍の指定納入業者となった
クラウン社。
その技術の高さは多くの兵士達に評価され、絶大な信頼を受けた。
また、数あるフライトジャケット用として使用されるジッパーの
中で最も美しく、BUZZ RICKSON'Sが理想とするジッパーとなります。

クラウン社は、製造方式や務歯の設計、スライダーのロック機構、
デザイン等、どれを取っても他のファスナー・メーカーと
大きく異なる「業界の異端児」的な存在でありました。
特にジッパーの務歯に関しては、TALON社等他社のメーカーは
プレス方式を採用していましたたが、
クラウン社は1930年代初めの創業以来、一貫して高圧鋳造方式で
製造していました。
この高圧鋳造方式で作ると角を綺麗に丸くすることが出来る為、
プレス方式のジッパーに比べて噛み合わせが格段に良く、
その結果、開閉が遥かに滑らかなものとなっています。
中でも創業時のジッパーは、左右の務歯が噛み合ったところが
ミリタリー・ウェアの袖階級章(シェブロン)のV字形に似ている為、
『シェブロン・ジッパー』と呼ばれていましたが、
複雑な製造過程の問題もあり、後にデザインの変更を余儀無くされ
てしまいました。
それ故の希少性と外見の美しさから、『幻のジッパー』と言われています。
ヘリンボーンのテープに通電用の銅線を織り込んだことや、
務歯を直接テープに蒸着させたこと、スライダーを
スプリング・カムロック方式のオートマチックにしたこと等、
その作りの凝り方も他では見られないものでありました。
ただ、クラウン社のジッパーは、高圧鋳造方式であることに由来する、
製造の困難さやコストの問題等により、残念ながら1960年代末には、
より簡単で安価に作られた他社製のジッパーに市場を奪わることと
なりました。
短命に終わったクラウン社の中でも『シェブロン・ジッパー』の
製造期間は特に短く、その稀少性とシェブロン自体の美しさが
我々を魅了して止まない理由なのでしょう。

---

※こちらの製品は一般的な革と比較しますと表面に擦れ跡や傷跡が
　入り易い革になっております。
　そのため、新品でも微小な傷、擦れ跡がございます。
　そのような性質を持っている革ですが、革の特別な風合いを
　もとめた製品のため、着用・使用による革の経年変化は
　格別の風合いが得られます。
　製品の特質をご理解のうえご購入くださいますようお願い致します。

Material	Vegetable Tanning Bronco Hide Hand Aniline Finished
Color	Seal Brown
Lining	100% SILK
Knit Parts	Special Wool (For Flying Clothing)
Fastener	Military Use Aluminum Die Casting Chevron
Neck Hook	Solid Brass Chrome Finished
Snap	U.S. Government Department of Defense Specs.Brass Oxidised Black Ball Stud Type